幼小接続の鍵「10の姿」とは?具体例と指導要録の書き方を徹底解説

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幼小接続の鍵「10の姿」とは?具体例と指導要録の書き方を徹底解説
幼小接続の鍵「10の姿」とは?具体例と指導要録の書き方を徹底解説
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🎵 幼小接続の鍵「10の姿」とは?具体例と指導要録の書き方を徹底解説

保育所や幼稚園、認定こども園から小学校へと羽ばたく就学前の移行期において、現場の保育者や保護者の間で中心的な共通言語となっている指標が存在します。それが、幼稚園教育要領や保育所保育指針に明確に位置づけられた「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」、通称「10の姿」です。

小学校生活へのスムーズな移行を促す「幼小接続」の架け橋として期待される一方で、現場からは「指導要録への落とし込み方が難しい」「小学校入学までの到達目標やノルマと誤解されやすい」といった戸惑いの声も少なくありません。本稿では、文部科学省が掲げる方針の背景から、保育現場における5歳児の実践例、指導要録や指導案の具体的な記載ノウハウに至るまで、徹底的に取材・検証した知見を体系的にお伝えします。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は到達目標や合否判定のテストではなく、子どもの育ちの方向性を共有するための「共通の道標」である。
  • 要点2:従来の「5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)」を土台に、5歳児後半に見られる具体的な育ちのプロセスを10の視点で言語化している。
  • 要点3:指導要録や指導案の作成では、単なる項目の当てはめを避け、子どもの主体的な試行錯誤やエピソードを具体的に記述することが不可欠となる。

【策定の背景】なぜ文部科学省は「10の姿」を導入したのか?策定の理由と経緯

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が公の教育・保育指針として明記されたのは、2017年(平成29年)に告示され、2018年(平成30年)4月から施行された幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の同時改訂が契機でした。この改訂における最大の焦点となったのが、幼児期の教育と小学校教育の断絶を解消する「小学校接続」の強化です。

かつて全国の教育現場では、就学直後の小学1年生が集団行動に馴染めず授業中に立ち歩いてしまう「小1プロンプラム」が深刻な教育課題として浮き彫りになっていました。就学前施設での「遊びを中心とした総合的な学び」と、小学校での「教科書を開いて45分間着席する教科の学び」の間に横たわるギャップが、子どもたちに過度な負荷を与えていた背景があります。

中央教育審議会(中教審)の議論を経て、文部科学省は学校教育の始まりを幼稚園段階から連続したものとして位置づけ直しました。公式パンフレット『一人一人のよさを未来へつなぐ ―学校教育のはじまりとしての幼稚園教育―』でも示されている通り、幼稚園・保育所・認定こども園の垣根を越え、小学校教員とも「どのような資質・能力を育んでバトンを渡すのか」を共有する共通言語として「10の姿」が策定された経緯があります。

当時のメディア報道・掲載写真
【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:fs.hoiku-is.jp)

【一覧で把握】幼児期の終わりまでに育ってほしい「10の姿」具体例と5歳児の実践例

「10の姿」は、卒園間近の5歳児後半に見られる代表的な姿を10の視点から切り取ったものです。日々の園生活で子どもたちが見せる何気ない行動の中に、どのような学びの芽が息づいているのか、具体的な実践例とともに整理します。

10の姿(区分)文科省が示す基本的な考え方5歳児の実践例・エピソード
(1) 健康な心と体自ら進んで体を動かす心地よさを味わい、健康で安全な生活のための見通しをもち、自分の行動をコントロールする。鬼ごっこで息が上がっても休憩を取りながら遊び続け、手洗いや衣服の調節を自分から行う。
(2) 自立心身近な環境に主体的に関わり、様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、諦めずにやり遂げて自信をもつ。積み木が高く積めずに崩れても、土台の形を変えて何度も挑戦し、完成を喜ぶ。
(3) 協同性友達と関わりを深め、共通の目的の実現に向けて意見を出し合い、役割分担をしながら楽しむ。劇遊びの大道具作りで「誰が木を描くか」「絵の具を誰が運ぶか」を話し合って進める。
(4) 道徳性・規範意識の芽生え良いことや悪いことに気づき、相手の気持ちを察しながら、集団生活のルールや決まりを守る大切さを理解する。順番を守れなかった年少児に優しく注意し、「次は貸してあげるね」と譲り合う。
(5) 社会生活との関わり家族を大切にする気持ちをもち、地域の人々と触れ合う中で、社会の仕組みや多様な生活への興味をもつ。散歩中に地域の郵便配達員や警察官に挨拶し、園内のごっこ遊びでその役割を再現する。
(6) 思考力の芽生え身近な事象に興味や疑問をもち、物事の規則性や因果関係に気付き、予想を立てて試行錯誤する。砂場で水が流れるルートを作る際、傾斜をつけたり小石で堰き止めたりして水流を調整する。
(7) 自然との関わり・生命尊重四季の変化や身の回りの動植物に感動し、親しみを深め、命あるものを大切にする心を育てる。飼育しているダンゴムシの餌や落ち葉を調べ、命の尊さや弱さを実感して丁寧に扱う。
(8) 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚遊びの中で物の形や数、時計の針や文字標識の意味に気づき、生活の中で自発的に使ってみる。「長い針が6になったら片付けよう」と時間を気にかけ、配膳係で人数分のお皿を数えて配る。
(9) 言葉による伝え合い経験したことや考えたことを言葉で相手にわかりやすく伝え、相手の話にも耳を傾けて言葉の楽しさを味わう。週末の出来事をクラスのみんなの前で順序立てて発表し、友達からの質問に丁寧に答える。
(10) 豊かな感性と表現美しいものや心を動かされる出来事に触れ、イメージを膨らませて音や動き、造形などで伸び伸びと表現する。絵の具の色を混ぜて「夕焼けの空」を作り出し、音楽に合わせて物語の登場人物になりきる。

これらの姿は、個別のカリキュラムによって独立して現れるものではありません。例えば砂場遊び一つを取っても、「(6)思考力の芽生え」と「(3)協同性」、さらには「(8)数量や図形への感覚」が同時に絡み合いながら現れます。子どもの活動は複合的であり、大人が一方的に切り分けるものではない点に留意が必要です。

【構造的相違】「5領域」と「10の姿」は何が違うのか?指導指針の整理

現場の保育者から頻繁に寄せられる疑問の一つが、「従来の『5領域』と『10の姿』はどう使い分ければよいのか」という構造上の疑問です。この2つは対立するものではなく、「教育を計画・指導する視点」と「幼児期を振り返り次へ繋ぐ視点」という時間軸と視角の違いによって明確に整理されます。

幼稚園教育要領や保育所保育指針において、「5領域(健康・人間関係・環境・言葉・表現)」は、0歳児から就学前に至るまでの全期間を通じて、保育者が「どのようなねらいをもち、どのような内容の環境を構成するか」という指導の枠組みとして位置づけられています。保育士や教員が日々の指導計画を立てる際のアプローチ基準です。

対照的に「10の姿」は、それら5領域の総合的な体験を通じて積み重ねられた学びが、「5歳児の後半にどのような具体的な姿として花開くか」を焦点化した出口の指標です。小学校学習指導要領が掲げる資質・能力の3つの柱(「知識及び技能の基礎」「思考力・判断力・表現力等の基礎」「学びに向かう力、人間性等」)とダイレクトに対応させるため、5領域をより細分化・具現化したものと位置づけられます。

活動歴および当時の関連ビジュアル記録
【検証資料 2】活動歴および当時の関連ビジュアル記録(出典:hoiku.sho.jp)

【書類作成の実務】指導要録の文例と指導案の書き方・適切な評価方法

年長児を受け持つ担任にとって最大の関門となるのが、「幼保小連絡会」でやり取りされる幼保幼小引き継ぎ書類、すなわち「幼稚園幼児指導要録」や「保育所児童保育要録」の作成実務です。文部科学省の参考様式が改定されて以降、「10の姿」の視点を意識した記述が求められています。

指導要録の記入ポイントと文例

指導要録を作成する際、最も陥りやすい失敗が「(2)自立心が育っている」「(3)協同性が見られる」といった抽象的な項目名の羅列で終わってしまうことです。小学校の担任教員が知りたいのは、その子が「どんな場面で、どのように悩み、どう乗り越えたか」という具体的な文脈と個別の良さです。

【指導要録の文例(自立心・思考力の芽生え・協同性を意識した例)】
「廃材を用いた迷路作りでは、玉が途中で引っかかる課題に直面した際、傾斜を付け直すなど一人で粘り強く試行錯誤を繰り返していました(自立心・思考力の芽生え)。後半は友達のアイデアも柔軟に取り入れ、『ここをトンネルにしよう』と声を掛け合いながら、互いの得意分野を生かして最後まで完成させることができました(協同性・言葉による伝え合い)。」

【指導要録の文例(健康な心と体・道徳性規範意識を意識した例)】
「ドッジボールなどの集団遊びを好み、自ら水分補給を行いながら活発に体を動かしています(健康な心と体)。ゲーム中、意見が食い違った際には相手の主張にも真剣に耳を傾け、自分たちでルールを再確認して折り合いをつける姿が見られます(道徳性・規範意識の芽生え)。」

月案・週案など指導案の書き方

指導案に「10の姿」を盛り込む際は、無理やり10項目すべてを網羅しようとする必要はありません。活動の主軸となる「ねらい」に対して、予想される子どもの姿を2〜3項目程度紐付けるのが基本です。

例えば、「みんなで大型カルタを作る活動」を計画する場合、「(8)数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚」と「(10)豊かな感性と表現」を指導案の重点項目として記載し、環境構成(文字表を用意する、描きやすい太いサインペンを配置するなど)と援助のポイントを連動させます。

現場における適切な評価方法

就学前の評価は、他者との比較による相対評価でも、チェックリストによる絶対評価でもありません。過去のその子と現在を比べる「個人の育ちのプロセスを認める個人内評価」が鉄則です。「できる・できない」の二元論ではなく、「どのように取り組もうとしていたか」という心情・意欲・態度を保育記録(ドキュメンテーション)に残していく姿勢が現場の標準となっています。

【実態検証】「到達目標」ではない!現場で起きている歪みと注意点

施行から年月が経過した現在でも、現場や保護者の間で根強く残っている致命的な誤解があります。それは「卒園までに10項目すべてを完璧にマスターしなければならない」という思い込みです。

文部科学省の審議まとめでも明確に釘を刺されている通り、「10の姿」は決して一人一人の幼児に一律に達成を求める「到達目標」ではありません。しかし、教育熱心な家庭や一部の就学準備教室では、「ひらがなが読めない」「時計が読めない」「まだ友達とケンカしてしまう」といった事象に対し、「10の姿が達成できていないため就学に不安がある」と過度なプレッシャーを抱えてしまうケースが後を絶ちません。

SNSや相談窓口に寄せられる保護者の声を見ても、「園からのお便りに10の姿が細かく書かれていて、我が子の遅れを責められているように感じた」「幼稚園の先生がチェックリストのように扱っていて違和感がある」といった懸念が散見されます。大人がチェック項目として子どもを評価し始めると、子ども本来の自由な探究心や「やってみたい」という自発的な意欲が奪われてしまう構造的リスクを常に警戒しなければなりません。

【プロの結論】発達の凸凹を受け止め、学びの連続性を信じる判断基準

発達心理学や幼児教育の知見から導き出される結論は極めて明快です。幼児期の発達は直線的ではなく、個体差が非常に大きい時期です。5歳児の段階で文字や数字に強い関心を示す子もいれば、身体表現や自然観察に驚異的な没頭を見せる子もいます。

保育者や親が重視すべきは、「10項目すべてを平均点にすること」ではなく、「その子の得意な姿・好きな領域を足がかりにして、自信を育むこと」です。「自立心」が強い子は多少言葉足らずでも行動力があり、「言葉の伝え合い」が得意な子は運動が苦手でも友達関係を築く力があります。偏りや凸凹をマイナスと捉えるのではなく、その子の「今」の関心を受け止め、小学校教員にありのままの文脈を伝えることこそが、真の幼小接続を実現させる判断基準となります。

公の場での発言・インタビュー報道記録
【検証資料 3】公の場での発言・インタビュー報道記録(出典:item-shopping.c.yimg.jp)

【幼児期の終わりまでに育ってほしい姿】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:10の姿が身についていないと、小学校の入学選考や授業で困ることはありますか?
A1:公立小学校の入学において、10の姿が身についていないことを理由に不利益を被ることは一切ありません。10の姿は合否を決める検定基準ではなく、小学校側が「入学当初のカリキュラム(スタートカリキュラム)を設計するための参考情報」として受け取るものです。大切なのは知識の詰め込みではなく、「新しい環境を楽しもうとする意欲」や「困ったときに先生や友達を頼れる力」です。

Q2:指導要録を書く際、10の姿の名称をそのまま文中に使うべきですか?
A2:文部科学省の通知上、10の姿の文言をそのまま文中に記載することは必須とされていません。重要なのは、子どもの具体的な行動や心情の変容が客観的に伝わることです。文章の末尾に「(協同性・思考力の芽生え)」のように補助的に添える形式や、文章の流れの中で自然にその姿が読み取れる記述が現場では推奨されています。

Q3:保育所保育指針と幼稚園教育要領で「10の姿」の内容に違いはありますか?
A3:内容的な違いは一切ありません。2017年の改訂において、幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の3法令すべてに、同一の文言で「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が共有されています。どの施設に通っていても、小学校へ向かう育ちの道標は統一されています。

まとめ:子どもの育ちを点ではなく「連続的な線」で捉える視点を

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」は、子どもたちを枠にはめ込んでテストするためのツールではありません。日々遊びに没頭する子どもの姿の奥底に潜む「生涯にわたる生きる力の芽生え」を大人が見落とさないための観察レンズです。

就学という大きな転換期を前に、大人が焦って早期教育を詰め込む必要はありません。友達と泥まみれになって遊んだ充実感、失敗しても諦めずに積み直したブロックの達成感、虫を見つめて命を感じた驚き――それら日々の豊かな体験の集積が、やがて小学校以降の確かな学習意欲へと花開いていきます。点数やチェックシートにとらわれず、子どもの小さな成長のサインを温かい眼差しで受け止めていく姿勢こそが求められています。 (出典: 幼児 期 の 終わり まで に 育っ て ほしい 姿(Yahoo!ニュース)

幼児 期 の 終わり まで に 育っ て ほしい 姿
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